この記事でわかること
今週も明るく、元気に、真剣にがんばります!
さて、今回は「6時間睡眠は慢性的な睡眠不足?!」についてのお話です。
忙しい現代日本の平均睡眠時間は大変短く、慢性的な睡眠不足に陥っていると言われています。
「睡眠時間を削って働く」よりも「睡眠時間を1時間増やす」ほうが、圧倒的にパフォーマンスが上がるということが、科学的にも証明されているのをご存じでしょうか?
日本人の平均睡眠時間とは?
2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)の平均睡眠時間の各国比較によると、先進国を中心にした世界33カ国のうち日本は最下位でもっとも短く、1日あたり7時間22分でした。
中 国 9:01
アメリカ 8:51
エストニア 8:50
イ ン ド 8:48
ニュージーランド 8:46
カ ナ ダ 8:40
ルクセンブルグ 8:38
スペイン 8:35
ト ル コ 8:34
イタリア 8:33
フランス 8:32
ベルギー 8:32
オーストラリア 8:32
ラトビア 8:32
ポーランド 8:28
フィンランド 8:28
イギリス 8:28
ポルトガル 8:25
リトアニア 8:23
オランダ 8:22
スロベニア 8:21
ギリシャ 8:20
メキシコ 8:18
ド イ ツ 8:18
オーストリア 8:18
ノルウェー 8:12
アイルランド 8:11
デンマーク 8:08
スウェーデン 8:02
韓 国 7:51
日 本 7:22
この調査によって睡眠時間の短い日本では、男性よりも女性の方が睡眠時間が平均13分短いこともわかりました。
世界でもっとも眠っていないのは日本の女性ということになります。
また、成人だけではなく、子どもにおいても世界で一番睡眠時間が短いのが日本です。
ある調査によれば、どの年齢の子どもも年齢別推奨睡眠時間よりも実際の睡眠時間が短く、最大で2時間近く足りていないことがわかりました。
「世界の子どもの睡眠時間と比べて、日本の子どもの睡眠時間が世界一短いことをご存じでしたか?」という質問に対するアンケート結果では、日本の子どもの睡眠時間が世界一短いという事実をほとんどの人が知らないようです。
●事実含め、詳細まで知っている
286人 5.0%
●事実のみ知っており、詳細は知らない
1,519人 26.3%
●事実も詳細も知らない
3,969人 68.7%
6時間睡眠のデメリットとは?
本来成人には1日6時間以上の睡眠時間が必要です。
しかし、日本人のおよそ4割は、睡眠時間が6時間未満で睡眠不足の状態にあります。
人の体は、睡眠時間を削ると脳のパフォーマンスが著しく低下します。
どのくらい下がるのかというと6時間睡眠を14日間続けると48時間徹夜したのと同程度の認知機能になります。
別の研究では、6時間睡眠を10日間続けただけで24時間徹夜したのと同程度の認知機能になるという研究もあります。
これは具体的には、日本酒を1〜2合飲んだときの「酔っぱらい状態」での認知機能に相当します。
睡眠を削ることで、集中力、注意力、判断力、実行機能、即時記憶、作業記憶、数量的能力、数学能力、論理的推論能力、気分、感情など、ほとんどすべての脳機能が低下することが明らかにされています。
さまざまな実験や研究の結果から睡眠不足の人は、本来持つ自分の能力の1〜2割も低い能力で、毎日仕事、勉強、家事、育児をしていることがわかっているのです。
睡眠時間が6時間とれれば充分と言う人もいるかもしれませんが、気付かない内に睡眠負債が溜まっていくと心や体に不調が表れるようになります。
しかし、睡眠には少なからず個人差があり、持病等によっても睡眠の状態が変化する可能性があるため、全ての人に常に当てはまるとは限らないそうです。
たとえば、一定数存在する10時間を超える長い睡眠を必要とする人(ロングスリーパー)の場合、睡眠時間を8時間に短くすることはかえって睡眠不足を招く可能性があります。
睡眠不足と睡眠障害のリスクとは?
睡眠は健康と深く関わっています。
質の良い睡眠時間と同じく、成人と高齢者は、目覚めた時に体が休まったと感じる「睡眠休養感」も確保することが重要になります。
アメリカで行われた調査では、40歳から64歳の働き盛りの世代について、睡眠時間が5時間半未満で「睡眠休養感」が低いほど死亡リスクが高まったという結果が出たそうです。
日常的に質の良い睡眠を十分にとれていない人は、翌日の眠気やパフォーマンスの低下だけにとどまらず、健康問題を引き起こしかねません。
睡眠不足
肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすいことがわかっています。
健康な人でも2日続けて寝不足(4時間睡眠)状態になれば、食欲を高めるホルモンが増し、食欲が増大してしまうのです。
睡眠障害
慢性的に不眠の症状があると、交感神経の緊張、血糖値を上昇させる物質の過剰分泌、睡眠時間の短縮、うつ状態による活動性の低下といった多くのリスクがあります。
入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒などの症状がある人は、質の良い睡眠がとれている人と比較して糖尿病になるリスクが1.5~2倍になります。
推奨睡眠時間とは?
睡眠時間が6時間未満の人は、いつもより1時間早く寝て、睡眠時間を1時間だけ増やすことすすめています。
※詳しくは、下記のコラムをご参照ください。
日本テレビ系列「カズレーザーと学ぶ」
6時間の睡眠では全然足りない?現代の日本人が陥りやすい、慢性的な睡眠不足を解消する方法とは/entax(エンタックス)
https://www.entax.news/post/202407100915.html
その中で世代を成人と子ども、それに高齢者の3つに分けた推奨睡眠時間があります。
●子ども
小学生 9時間~12時間
中学生・高校生 8時間~10時間 ●成人
6時間以上を目安
●高齢者
8時間以上にならないこと
高齢者については、7時間未満の短時間睡眠による将来の死亡リスクは1.07倍であるのに対し、8時間以上の長時間睡眠による将来の死亡リスクは1.33倍と著しく増加することが報告されています。
寝床にいる時間が8時間以上にならないことを目安に必要な睡眠時間を確保してほしいとしました。
※詳しくは、下記の資料をご参照ください。
「健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
■就寝時間と起床時間を決め、睡眠時間をしっかり確保する
■朝、太陽の光を浴びて体内時計のリセットをはかる
■簡単なルーチンワークを作って、短時間でも規則的に動く
■栄養と運動のバランスにいつも以上に気をつける
■夕食と飲酒は睡眠の2時間から3時間前までに済ませる
■入浴は就寝の1時間前までに行い、40度ほどのお湯に15分~20分程度つかる
ことが理想的です。
この記事の結論は?
睡眠時間が6時間前後で多忙な人にこそやっていただきたいのが、「1週間限定、睡眠時間1時間アップチャレンジ」です。
今日からずっと睡眠時間を1時間増やさなければいけない、というと難しく感じるかもしれません。
なので、まずは「1週間限定」でもいいので、いつもより1時間早く寝て、1時間だけ睡眠時間を増やしてみましょう。
睡眠不足や脳のパフォーマンスの改善に繋がり、「しっかり眠ると、こんなに調子がいいんだ」という気付きを得るだけで睡眠改善への大きな一歩を踏み出すことができます。
睡眠時間を1時間増やすことは、最も簡単で、最も効果が得られる最強の仕事術です。