睡眠と筋トレ

予防医学専門誌に「筋トレは睡眠の質の改善に役立つ」という論文が掲載されました。
筋トレによって眠気をもたらすアデノシンとう分子が体内で作られることが大きな理由です。
また、何かしらの運動をしていれば寝つきがよくなり、夜中に目が覚めることも減ることが分かっています。
ただし、筋トレをすればするほど、睡眠の質が高くなることはないといいます。
実際に筋トレを週１回した人の睡眠の質と、週５回した人の睡眠の質に大きな差は見られなかったそうです。

運動が睡眠の質を高くすることは科学的に十分実証されており、そのエビデンスのほとんどは有酸素運動に関するものです。
筋トレでは、ジョギングなどの軽い運動をしたときよりも大量のアデノシンが分泌されます。
アデノシンという分子は、消化過程で分解されて、細胞間のエネルギー交換に必要なアデノシン三リン酸(ＡＴＰ)になります。
運動によってＡＴＰが不足すると、ＡＴＰはアデノシンに姿を戻して眠気を誘発します。
筋トレで大量のアデノシンが分泌されると、このプロセスが加速され、その後の眠気が強くなるそうです。
筋トレによりグルコースと脂質の代謝が進むこと、血圧が下がることで睡眠の質が高くなることも考えられるという研究結果が出ています。