最近よく聞く「過眠症」とは?

この記事でわかること

こんにちは!仙台青葉店の石川です😊
今週も明るく、元気に、真剣に頑張ります!
さて、今回は「最近よく聞く過眠症とは?」についてのお話です。
日本人の平均睡眠時間は、世界的にみても大変短く、慢性的な睡眠不足に陥っていると言われています。
そんな中でも近年、睡眠障害の一つである「過眠症」という言葉をよく耳にするようになりました。
この過眠症の症状、予防方法をお話していきます。

過眠症とは?

過眠症とは、十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、本来起きている時間帯に強い眠気が生じて居眠りしてしまったり、夜間の睡眠時間が通常より長くなってしまったりする病気の総称です。
健康な人でも日中に眠気が強まることはありますが、「寝てはいけない」という意志がはたらくため、たいていの場合は居眠りを防ぐことができます。
過眠症の人は、通常では考えられないような場面で気絶するように居眠りをしてしまったり、それを繰り返してしまったりすることがあります。
また、過眠症にはさまざまな種類があり、発症原因、症状、種類はそれぞれ異なります。
睡眠不足やストレス、精神疾患などによっても過眠症に似た症状が現れるため、見分けられるように検査ではさまざまな質問が行われます。
共通しているのは、日中など元来活動している時間帯に強い眠気が生じ、居眠りを繰り返してしまうことや睡眠時間がより長く必要になるという事です。
症状が悪化すると体のだるさや精神的な焦り、不安、集中力の低下などによって日常生活が困難になることもあるほか、交通事故や仕事中の事故などが生じる可能性が高くなります。

過眠症の種類・症状とは?

中枢神経系(脳)の障害に伴って生じる「中枢性過眠症」

特発性過眠症やクライネ―レビン症候群は原因が分かっていません。
ナルコレプシーや特発性過眠症は遺伝的要素との関連が指摘されています。
【ナルコレプシー】

健康番組やニュース番組の特集などで聞いたことがある人も多いと思います。
通常は眠ることがない状態で強い眠気や突発的な居眠り(睡眠発作)が生じる病気です。
覚醒維持を担うオレキシン神経伝達の障害が原因であることが分かっています。
居眠りは数分から十数分程度で、目覚めはすっきりとしています。
そのほか、喜怒哀楽などの強い感情が芽生えた際に急に四肢・体幹が脱力したり(情動脱力発作)、寝付くときに金縛りにあったり、現実と夢の区別がつかないような感覚を覚えたりすることもあります。
主に思春期頃に発症し、症状が持続することが一般的です。
日本では、600人に1人がナルコレプシーであるといわれており、10歳代~20歳代前半に多い病気です。
治療が遅れると社会生活に支障をきたす恐れがあるため、早期に治療を開始することが重要です。

【突発性過眠症】

症状はナルコレプシーと似ていますが、眠気はより持続的で居眠りの時間が1時間以上と長く、目覚めた後もすっきりしない傾向にあります。
情動脱力発作や、金縛りは原則として生じません。
寝起きが悪い、頭痛、起立性調節障害、失神など自律神経症状が生じる人もいるほか、睡眠時間が10時間以上必要となるタイプの人もいます。
発症時期を特定することが難しい病気で、通常は症状が持続しますが、時に自然に治る例もあり、ナルコレプシーよりはまれな病気です。

【クライネーレビン症候群】

「反復性過眠症」や「周期性傾眠症」などと呼ばれることもあります。
強い眠気や夜間の睡眠時間の延長が生じる時期(傾眠期けいみんき)が年に数回~時に10回以上現れますが、それ以外の時期には症状がありません。
傾眠期は数日から数週間続くことが一般的です。
その時期になると食事や排便以外はほぼ眠り続け、食欲などが強くなったり、抑うつ状態を示したりする人もいます。

睡眠の質が落ちることによって生じる「二次性過眠症」

何らかの原因で睡眠の質が低下してしまうことによって、日中の眠気や居眠りなどが生じたり、長時間の睡眠時間が必要になってしまったりすることを指します。
【閉塞性睡眠時無呼吸】

眠っている間に呼吸が止まったり、止まりかけたりすることを繰り返す病気です。
呼吸が止まる(止まりかける)度に無意識の覚醒が生じるため、睡眠の質が下がります。
また、呼吸量が少なくなることによって血液中の酸素が減る分、より多くの血液を循環させるため心臓の負担が増加します。
その結果、高血圧が生じて心筋梗塞や脳梗塞、突然死のリスクが高まります。
多くはいびきを伴い、同居家族が病気に気付きますが、寝ている間の無意識の出来事なので本人に自覚がないことがほとんどです。

【レストレスレッグス症候群】

「むずむず脚症候群」とも呼ばれ、足がむずむずし、安静を保てなくなる病気です。
特に夕方から夜に症状が強くなり、特に眠るために床に入ったときにもっとも強まることから、うまく寝付けなくなります。
また、途中で目覚めた際に再度寝付きづらくなるため、睡眠の質が下がります。

【周期性四肢運動障害】

睡眠中に四肢の片側もしくは両側が無意識にピクピクと動く病気です。
四肢のピクつきに伴い、無意識の覚醒が生じることにより、睡眠の質が落ち、二次性の過眠が生じます。
寝ている間の無意識の出来事なので、たいてい本人に自覚はありません。
レストレスレッグス症候群と合併する傾向があります。

過眠症の予防とは?

過眠症や不眠症など睡眠に関する病気は、ある程度予防が可能なものとそうでないものがあります。
予防可能な病気を防ぐためには、

・自分の体に適した睡眠時間を把握し、日ごろから睡眠不足にならないようにする
・就寝前のカフェイン・喫煙を避け、リラックスできる方法を見つける
・寝酒をしない
・眠ることに意気込みすぎず、寝たいと感じたときに寝る
・なるべく毎日同じ時間に起きる
・目が覚めたら日光を浴び、夜寝る前は明るい照明を浴びない
・食事を3食とり、運動習慣を身につける
・昼寝は15時より前に20~30分程度とする
・眠りが浅いときでも早起きを心がける
・いびきや足のむずむず感など気になる症状があれば医療機関を受診する
・十分な睡眠を取っても日中の眠気が気になるときは医療機関を受診する

この記事の結論は?

以上、「最近よく聞く過眠症とは?」についてのお話でした💁‍♀️
規則正しい生活を送っていたとしても、本人の意思とは関係なく、睡眠発作によって日中に突然眠ってしまうことがあるのが過眠症です。
過眠症の原因についてもはっきりしないこともあり、正しく理解されていないために、「やる気がない」「体調管理ができていない」などとマイナスな言葉を言われて苦しんでいる人もいます。
睡眠発作も情動脱力発作も不摂生が原因なのではなく、自分、家族、友達の誰にでも発症する恐れのある病気であることをしっかり理解しておくことが大切です。

おすすめの記事