この記事でわかること
今週も明るく、元気に、真剣に頑張ります!
さて、今回は「睡眠中の消費カロリー」についてのお話です。以前にも「はなまる日記 第492話 睡眠中の消費カロリー」で投稿していますが、少し内容をアップデートしてお伝えしていきます。
生活習慣や体質、体型によって消費カロリーは異なりますが、睡眠って意外と体力を使っているということをご存知でしたか?
しかし、カロリーは消費されるのに睡眠時間の長さによっては、脂肪が摂取されやすい体質になってしまうのです!
睡眠中の消費カロリーとは?
睡眠中には日中と比較すると、基礎代謝量が低下します。
結果として、日中の基礎代謝量と比較すると、睡眠時の消費カロリー量は平均的におよそ15%程度減少します。
睡眠時に消費するカロリーは睡眠時代謝量とよばれており、性別、年齢、体格、体質によって異なりますが、充分な睡眠をとると約200~400Kカロリー前後を消費すると言われています。
これを運動に例えると300Kカロリーを消費した場合、約40分間のランニングと同じ消費カロリーになります。
睡眠中にも生命や身体の機能をするために一晩中カロリーを消費し続けていますが、具体的に睡眠時代謝量には次のようなものが含まれています。
- 呼吸
- 拍動
- 体温維持
- 脳神経の管理
- 睡眠前の食事の消化
- 細胞の再生・修復
上の活動の多くは一部を除き、睡眠時に特有の物ではなく、日中にも行われています。
消費カロリーが増大するのはレム睡眠のステージです。
レム睡眠は比較的浅い段階の睡眠で、脳の活動は日中とほぼ変わりません。
脳は意外なほどに消費カロリーが大きく、基礎代謝の20%(約200~300Kカロリー程度)ほどのカロリーを消費します。
心拍数もノンレム睡眠時と比較すると多くなりますが、ノンレム睡眠(深い睡眠)の状態にあるときは脳も休止状態に入り、細胞の再生や修復をより効率的におこなうために体温、心拍、呼吸なども最小限に低下して消費カロリーも大きく低下します。
睡眠中も活発なホルモンとは?
睡眠中に分泌されるホルモンが活発に働いており、そのエネルギー源としてカロリーが消費されています。
メラトニン
脳の松果体(かしょうたい)と呼ばれる部分から分泌されています。
眠りを誘うほかに抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってくれるために病気の予防や老化防止にさまざまな効果を持つホルモンです。
セロトニン
脳内の神経伝達物質のひとつとして体内時計や睡眠を調整する機能、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをしています。
日が沈むに従って徐々にセロトニンの分泌量は減っていき、メラトニンに変化していきます。
夜中に向けて増えるメラトニンは、私たちの睡眠の質を左右します。
コルチゾール
副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。
肝臓で糖をつくり出すこと、脂肪を分解して代謝促進すること、免疫抑制すること、抗炎症作用を持つこと、筋肉でタンパク質を代謝することなどの役割があります。
心身がストレスを受けると急激に分泌が増えることから心身の健康状態を結びつける「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
レプチン
脂肪組織でつくられるホルモンで脳の視床下部に満腹を知らせるサインを送って食べ過ぎを防ぎます。
また、交感神経を活性化させて脂肪を燃やし、エネルギーの消費を促すことで肥満を抑制する作用があります。
睡眠不足になると食べすぎを抑えるレプチンの分泌が減り、食欲を刺激するグレリンが増加します。
グレリン
胃から分泌される食欲ホルモンで、食欲亢進や脂肪蓄積などの生理作用があります。
グレリンの分泌が増えてしまうと肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病などさまざまな病気に影響します。
成長ホルモン
「成長」という名前がついていますが、成長ホルモンは小児の成長のためだけに働くものではありません。
人間の一生にわたって脂肪組織の分解作用、糖代謝調節、筋肉量に関与し、現在では免疫機能、認知機能などにも作用を持つことがわかっています。
寝不足は太りやすい?
本来なら睡眠中に消費するはずのカロリーも消費されず、中性脂肪の分解を助ける「成長ホルモン」の働きも鈍化し、食欲ホルモンの分泌が増えるため、太りやすい体質になるのです。
アメリカのコロンビア大学が18,000人を対象に実施した調査によると、睡眠時間の短い人は長い人よりも肥満であるケースが高いという結果もあります。
適した睡眠時間が大事
たくさん寝たら良いと言う訳ではありません。
睡眠時間が6時間未満、あるいは10時間以上になるとメタボリック症候群のリスクが上がることが、13万人以上を対象とした韓国の研究で判明しています。
睡眠時間が長いほど肥満のリスク、病気のリスクが下がるわけではないということです。
しかし、睡眠不足は食欲増進やエネルギー消費量低下に関わるホルモンの上昇し、寝すぎは睡眠の質の低下や運動不足、疲れの増加が一因となっています。
睡眠時間は6~7時間が適切であり、心身の健康のためにもバランスの良い食事、適度な運動も含めた生活習慣を整えて過ごすことが大切です。
この記事の結論は?
心と体の健康のためにも睡眠不足でいいことはほぼありません。
日中に運動した消費カロリーと睡眠中の消費カロリーをうまく利用することで効果的な肥満改善にもつながります。
生活リズムを整えて、できる限り安眠できる環境にすることを心掛けましょう。